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2017-10

ルーシーリー - 2016.03.20 Sun

Graceさんから「ルーシー・リー展はどうなさいますか!?」とメールが・・・。
やっと2月に時間の余裕ができ、暖かくなり始めた3月ごろと思っているうち3月も半ばに・・・。

1ルーシーリー

「私が美術館を案内しますから、我が家によってから、出かけませんか!?」というお誘いです。
「夫婦2人だけの生活だと、お料理がだんだん嫌いになって」と仰りながら、センス良く~
故郷のがめ煮やちらし寿司など手料理で出迎えてくださいました。

P1230880.jpg  P1230882.jpg
がめ煮とは、博多弁の「がめくり込む」(寄せ集めるの意)が、名前の由来とか~で、筑前煮のこと。

奥様然・・・としていられない開業医の女房の苦労と武勇伝を~ポジテイブ思考のGraceさん流に
面白おかしく小気味よく語る姿を、傍でニコニコ見ているご主人からは、すっかり彼女に任せ、
仲睦まじく調和が取れている様子が伺われ、主人同志は初対面でしたが、楽しいひと時で心和みました。

P1230884.jpg  P1230885.jpg

Graceさんとは、8年前のスペイン旅行以来のお友達。
お土産にお持ちしたスペインのinedetビールは、行きつけの焼き鳥屋さんに置いてあった・・・と、ご存知。
ただ、数か月前にそのお店が閉店されたそうで、ビールの再会も喜んでいただけました。
仕事や趣味が似ていて~「ツーカーの仲」って・・・嬉しいね。

P1230888.jpg

『没後20年 ルーシー・リー展』は、昨年4月に、茨城県陶芸美術館を皮切りとして、
千葉、兵庫、福島、静岡・・・と巡回し
2016年1月16日(土)~3月21日(月・祝)まで、福島の郡山市立美術館で開催。


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郡山市美術館は、郊外にあって広々としています。新緑の頃は、また素敵でしょうね!?

ルーシー・リー(1902-1995)は、1902年にオーストリアのウイーンでユダヤ人として生まれました。
芸術に親しみのある家庭に育ち、絵画などを学びたいと思い美術学校に行き、轆轤(ロクロ)に出会い
陶芸家になることを決心し、1926年に美術学校を卒業して制作活動を開始。
1938年、ナチス・ドイツがオーストリアを占領するとイギリス・ロンドンに移り、
88歳で病気になるまで沢山の作品を作ったのです。

機能性や簡潔さに重きを置き、優雅な「麗しきモダン」を成立可能に・・・ルーシー・リーの作品が示した。
クルクル回る轆轤からは、合理的な形を~
釉薬(作品に塗って焼く液体)のもたらす効果の不思議に夢中になり、
研究の成果を上げ、常に精力的に学んだ古典の知識も投影させたんです。

会場には、200点余りの作品が展示されていました。
撮影禁止でしたので、ガイドブックを購入。
入り口には、解説を交えた謎解きの地図があったので、それを参考に回ります。

蓋が、OとVになっているユニークなボトルは・・・オリーブオイルとビネガー入れ

ルーシーOV

ケースの中には、沢山のボタンが・・・
ウイーン時代から親交のあったフリッツ・ランブルの誘いで、ガラス製のボタン作りを手伝うようになって
やがて自らの工房で陶製のボタンを制作するようになったのです。

                                                       マウスオン
<

リーの仕事に感銘を受けた三宅一生が後年、自らのコレクションに取り上げ、日本での人気に火が付く。
ボタンは、戦中戦後のごく限られた時期に制作


リーのお気に入りは・・・『朝顔型』の鉢

口縁の広さに比べ、高台が極端に細く高くすぼまっている。
細くて高さのある足の部分(高台)から一気に広がる形が、真夏に元気よく咲く朝顔の形に似ている。

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長い首が、す~っと伸びたツルの首に似ていると言われる・・・コンビネーション・ポット
回転する轆轤を使って、いくつかのパーツに分けて作り、最後に組み合わせて完成させるんです。

線文円筒花器  線文花器156

丸く、ごろんとした形は、花を飾るための器だったそうですが、ポテトに似ているので『ポテト』と呼ぶ。
ガラスコップのような細長いつつ型をつくり、縁の部分を内側に丸め込んで作るそうです。

ブロンズ釉花器 練り込み花器

リーの作品には、細い線が沢山出てきます。
これは、細い棒で、表面を引っ掻いて線を引き、出来た線の所に違う色の土を塗り込む・・・象嵌

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渦巻きみたいな不思議な模様は、
粘土に色をつけ、その違う色の粘土を組み合わせて轆轤を回転させて作ります・・・スパイラル文

スパイラル2 スパイラル3
スパイラル1

リーの技術は、掻き落とし→象嵌→コンビネーション・ポット→スパイラル文→溶岩釉・・・と進み
作品に色をつける方法は、このほかに、焼くと色が変わる液体(釉薬)を使う方法があります。

黄釉線文鉢  黄釉線文鉢
 黄と茶のコンビネーションが優しく上品な
 印象を与え、繊細な掻き落としのラインによる
 縁取りが、器全体の存在感を引き立たせている。
 釉薬の原料の組み合わせには、丹念に研究して
 市販品の顔料も積極的に採用した。
 抑制された黄色は、ウラニウム釉を
 色鮮やかで僅かに緑がかっていたら
 アメリカのオハイオ州の
 ハーショウ・ケミカル・カンパニーのもの。
  この作品は、ウラニウム釉
  ピンク線文鉢
 酸化クロムを含んだ化粧土に錫を含んだ
 釉薬をかけて焼成する。
 胴部には、細い金属棒で丁寧に
 素地を線彫りして色土を埋め込む
 象嵌技法により線文が施さている
ピンク線文鉢 width=300
ブロンズ釉鉢  ブロンズ釉鉢
 金属的な質感を湛えたブロンズ釉は、
 二酸化マンガンに酸化銅を加えて
 焼成することで得られる。
 見る角度や光源によって
 器の表情が変わるのが魅力的
  白釉鉢
 リーは、とりわけ白を好んだ・・・という。
 白釉とブロンズ釉との組み合わせも
 多く見られる
白釉鉢
緑釉鉢  緑釉鉢
 白に黒を基調にしていたリーの釉薬の
 使い方に変化が訪れたのは、
 ハンス・コパーが1959年に独立した
 前後から。色彩豊かになり
 1970年代後半には色鮮やかな
 ブルー、ピンク、イエロー、グリーンと
 積極的に使用するようになった
  青釉鉢
 リーは、釉薬を作り置きせず
 一回ごとに新たに調合して使用した。
 胴の青い部分が印象的だが、口縁部に
 ブロンズ釉が塗られ、これが垂れて
 青色の釉薬と混じりあっているが
 これは、リーの狙い通りの方法。
青釉鉢
溶岩釉鉢 溶岩釉
 リーの生み出した最も特徴的な溶岩釉。
 ゴツゴツしたテクスチャーをもたらす表面上の
 仕上げをウイーン時代から試みて来た。
 炭化ケイ素(シリコン・カーバイト)を粘土素地や
 釉薬に加えると、炭化ケイ素は、焼成中に
 分離して、ガスを放出し、そのガスによって
 細かな穴が無数にあいて溶岩のような
 効果を生む
 参考:Lucie Rie ガイドブック

ルーシーは、好きな色を作りだすために、沢山実験をして、釉薬ノートも残しています。

P1230960.jpg

リーの作陶の最も特徴的な点は、『一回焼成』
一般的な陶磁器は、一度素焼きをされた後に、釉薬や彩色を施し、再度窯に入れ完成するが
リーはこの素焼きの工程を省いている。

リーの器は、成型された後、完全に乾いた状態になるまで乾燥し、それに刷毛や筆を使って
丁寧に・・・粘り気を与えるためのアラビアゴムなどを少々加えた釉薬を施す。

焼成の時に、本来のやり方では、急激な温度変化があると器は割れてしまうため、
時間をかけて徐々に温度を上げると、焼成中に粘土の素地と釉薬の下に施された釉薬、
そして表面を覆う上釉との間に化学変化が起きる。

「一回焼成で焼き上げる間に、釉薬や化粧土が粘土素地にしっかり馴染んでくる」というのが
リーの主張・・・という。

リーに、一番手厳しい師は、バーナードリーチだったようです。
会場の中央の壁に、こんな言葉が~

            親愛なるバーナードリーチ様     

   「作陶(ポタリー)」はいつも私の心の中にあります。
   
   ー戦争が始まった今日このごろでさえー
   
   あなたのおかげで気付いたのです。
   
   ヒトラーや難民問題や、お金を稼ぐ必要以外に重要な物があったのだと・・・




会場出口には、リーの轆轤を回して丁寧な制作中の姿を・・・
轆轤の回転を見つめながら首が振れている姿からは年相応の老いを~
88歳に病で床に臥すまで、好きな作陶に情熱を注いだその姿は、美しく素晴らしい。

200点余りの作品の中で、お好きな物を差し上げます~と言われたら葉文鉢にするだろう。
スリップで象嵌された葉の文様は、リーの作品中では、比較的装飾的で表情豊か。

P1230961.jpg
h 17.2 D 16.9 (13.4)  そのまま、飾るか~やっぱり花を飾るでしょう。花は、勿論・・・1種類

私は、2010年に国立新美術館で行われた「ルーシー・リー展」をみて、美しい色と形に感銘しました。
昨暮れに、『没後20年 ルーシー・リー展』を知り、郡山のGraceさん案内で希望を果たせました。
郡山市立美術館 は、3月21日まで。

この後、2016年4月9日(土)~5月29日(日)静岡市美術館 に移動するようです。

まだの方は~是非、この機会に、ご自分で実物を見られる・・・『眼福』にあずかってください。

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● COMMENT ●

福島までお二人でいらしたんですね。
初対面でも打ち解けて二夫婦でよい時をお過ごしになられました。
さすがmonalisaさんのご友人。おもてなしのお料理も素晴らしいです。

焼き物には詳しくありませんが、この方の作品はいいですね。
黒っぽいポットやカップ、ひっかいてできた線にほかの土を埋め込む
技術はシンプルで素敵です。


ikさん、今晩は~

19日~お彼岸で山梨に行ってきました。
そうなんです、先週は郡山まで~
タレント並みに忙しいスケジュールです。

Graceさんのご主人とは、主人は初対面ですが~私は2度目です 。
Graceさんが、「どうしますか?」と背中を押してくれなかったら
5年前にも見たから、諦めようかな・・・とも思っていましたので
とても良かったデス。

ikさんの気になった作品は
ハンス・コパーさんとの共作で
暗褐色のマンガン釉を施した上に金属針でフリーハンドで線を引いて書く「掻き落とし」の技法。
この技法は、鳥の骨で引っ掻いた青銅器時代の焼き物にヒントを得たそうで
リーのトレードマークのひとつだそうです。

リーの作品は、両手で包んで愛でたくなる温かさがありますね。

monalisaさんへ

┏━━━━━━━━★┃
おはよーございます!

ルーシー・リー 覚えやすい名前
知らなかったのでググッてみました
本名は別にあるんですね
素敵な器 食器としてより 飾って置きたいものばかり(^o^)v
蓋が、OとVになっているユニークなボトル、、、
私 今付けてるピアスは YES と NO です
アンバランスな美 好きだな~~(*・∀・*)

洋服の中で 値段の高いものの一つはボタン!!
陶器制のボタンなんて贅沢で使えないけど
生地屋さんで たっくさんのボタンの中で選ぶのがワクワクでした

今 男性のYシャツの襟とボタンが豊富で観察するのが楽しいです
じ~~っと見つめる先は、、、襟とボタン!!((*´∀`))ヶラヶラ
              ┃★━━━━━━━━┛

komamichiさん、今晩は~

  ┏━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━☆┃
花の女子大生、無事終了。卒業おめっでとうございます。

先日は、未完の投稿にコメを頂き、申し訳ありませんでした。

へ~ェ、本名があったなんて・・・知りませんでした。
本名のルツィエ・ゴンペルツ (Luzie Gomperz)に比べたら・・・確かに、覚えやすい名前ですね。

> 私 今付けてるピアスは YES と NO です
> アンバランスな美 好きだな~~(*・∀・*)
  ・゚・(*ノ∀≦)ノ彡ahahaha★ コマちゃんらしいですね。
  
  これは、アンバランスな美ではないけど
  以前に慌てて靴(サンダルだったかな?)を履いてスーパーに出かけ
  時々、足元を見たときに~さっきと足元が違うので
  立ち止まって両足を見たら、右左違う履物だった・・・というオッチョコチョイな私です。
  車でスーパーに出かけたんですが、
  知人に会わないうちに・・・と慌てて帰った記憶があります。

> 洋服の中で 値段の高いものの一つはボタン!!
> 陶器制のボタンなんて贅沢で使えないけど
> 生地屋さんで たっくさんのボタンの中で選ぶのがワクワクでした
  私も、手編みのカーディガンなどを他人に頼まれて編んでいたころ
  ボタンの値段の高さに驚きました。
  ワクワク・・・懐かしいな~

> 今 男性のYシャツの襟とボタンが豊富で観察するのが楽しいです
> じ~~っと見つめる先は、、、襟とボタン!!((*´∀`))ヶラヶラ
  そう言えば、息子のYシャツの襟は、それぞれにデザインが施してあります。
  じ~~っと見つめる先が・・・って、勘違いされたらどうしますか?

  今度、私も男性のYシャツの襟とボタン、注意してみよう!!
  
              ┃☆━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━┛

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鍵コメさん、今晩は~

こちらこそ~お世話になりました。

今は、シーズンで稼ぎ時ですね。
何事も運のイイもの同志ですので、時を読むのも上手・・・と言うものでしょうか!?

別荘と言うと響きがお洒落ですが・・・
皆で集える場所があるのは、有難いです。

ルーシーリー展は、入り口で配布されたクイズ形式のプリントのお蔭で
なんとか上手に纏めることができました。

ブログにしてみると、ルーシーリー展の様子が昨日の事のように思い出され
色々な工程も他人様に説明できるように整理できますね。

今日は、ミセスの創刊55周年特別企画の
憧れの”先生”に1日入門の懸賞募集に当選して
『有元葉子先生』のスタジオで、イタリア家庭料理を習ってきました。
簡単でしかも美味しく、野菜の旨み、トマトソースややマヨネーズのレシピも教わってきました。

貴女ならきっとレシピを見ただけでも、再現できるでしょうから
近々ブログUPしますので、ご主人さまに作ってあげてください。

また機会を作ってお会いできることを楽しみにしています。


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